上野動物園表門 実施設計計画案
↓計画概要
2016年3月の実施設計完了後、上野公園+上野動物園全体の長期計画が見直され、表門ゾーンも計画変更になり、この案の着工が取止めとなった。
上野動物園は、個人・家族・学校・会社など多くのグループや国外からの旅行者など、老若男女、全ての年代の人々が多数訪れ、期待に胸を膨らませながらこの表門を潜り抜ける。その期待に応える形態として、多様な人々に分り易い門の形を提案した。多くの建築では、一定用途の建物には一定の様式的な形態が発生する。その形は文化的な背景を持つため、人々は遠景からでも、どんな用途の建物かを理解する。この案では出入口の形態として浸透しているアーチ型を充がった。アーチ門は歓迎や帰省という意味も与えられていて、運動会やイベントなどウエルカムゲートとして採り入れられる例が多い。上野駅方面からアプローチする時、遠景で入口門の存在を視認できる。材料は自然を対象とする動物園の表門として、自然素材から木材を選んだ。構造は22.6mスパンのアーチを周期をずらせた連続逆桔木(はねぎ)で、5.4mの短材の直線木材で構成した。中空部はバナーの設置スペースと将来計画の入口広場猿山を、また、樹木越しに園内の五重塔も見せる空間である。管理スペースの平面形は入退場客の動線に合せて楕円形とし、シリンダー上部壁面に動物行進のレリーフを設置して、動物と共に入退場するイメージを共有する意匠とした。
作品6-5/上野動物園表門
鈴木啓二/建築設計社のホームページ
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