鈴木啓二/建築設計社のホームページ
バイヨン寺院の調査

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アンコール遺跡の保存修復と同地区の開発問題はユネスコ事務局のもとに約三十の国と機関が参加するアンコール遺跡救済国際調整会議のもとに進められ、わが国も日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JSA:団長中川武:早稲田大学教授)を組織し、外務省、大使館、国際文化交流基金、(財)日本国際協力センター、ユネスコ、カンボジア政府、現地政府、住民とともに取り組んでいる。遺跡を修復保存するためには、まず劣化の状況を正確に把握する必要がある。建築の場合、崩壊した建物を正確に実測し、作図することから始まる。今日では写真測量もかなり精度が高くなっており、JSAでもGPSやコンピュータの専門家と協同しながら、新しいシステムの研究開発中であるが、この実測作業を機械にまかせず、症例の注意深い観察を保存修復の出発としている。この作業には多くの手間が必要だが、日本学生と、カンボジアの学生と作業員とが人材養成を兼ねて取り組んでいる。同時に現地カンボジアの人々と共に取り組むことでの技術移転を心掛けている。今回のレクチャーは学生を対象とした人材養成のミッションへの参加である。