東亜レジン相模研究所
↑北側外観

←エントランスホール吹き抜け



東亜レジン相模研究所は、神奈川県座間市の東端に位置し、小田急線南林間駅から出る日産座間工場行きのバス通りに面している。工場の多い地域で、あまり特徴のない街並みである。最近では居住ゾーンとしての開発も目立つが、当工場がここに移転してきた頃は何もなく、工業地域として成長してきた。
敷地は四周を道路に囲まれ、前面道路は東側で幅10.6m、間口87m、奥行き60mの形状を持つ。ここでの製作物は、全国展開のサインボード(チェーンストアやガソリンスタンドのサイン・建築等)が中心で、内外部の新しい空間の企画開発・製作をしている。この建物は、このための研究試作・製作及び管理部門の用途を持つ。
設計コンセプトは当研究所のポリシーのひとつである「空間構成による街並みへの積極的参加というテーマをとりあげた。地域のランドマークとなり街並みの構成に刺激を与える、そのような建築を目指した。
前面道路を歩く人に比べ、車での往来数が圧倒的に多い。コンセプトを効果的に表現する為、このスケール感を強く意識し走っている自動車へもランドマークとして機能するよう、間口いっぱいに横線を強調した。
街路との取り合いは、季節感のある金木犀の生垣と桜を配し、環境との調和を図るため、目に近い建築下層部は透明感のあるカーテンウォール、上層部に施釉セメント板模様貼りの箱型を浮かせた。模様部分にも窓はあるが、パターンを壊さないようにディテールを工夫している。
平面構成は、前面道路に面して中央北寄りにエントランスホールがある。ここは4階吹き抜けで南側の製作部門と北側の管理部門間の遮音クッションであり、全スペースの雰囲気を一望に把握できる。管理部門は、1階展示スペース、2・3階が管理・研究スペース、4階に食堂・厚生スペースを配している。
作品13/東亜レジン相模研究所
鈴木啓二/建築設計社のホームページ
作品リストへ戻る次、作品14へ前、作品12に戻る