陽光をコントロールする家
↑アプローチ外観

←南側外観:全面開口で欄間は外付けブラインド

↓西側外観:南に向かって屋根を切上げている
        外付けブラインドを閉めたところ
↓冬至頃のファミリールーム:陽を良く採り入れるように部屋幅いっぱいに窓を設けている。西日除けに西壁あり。
婦お二人で住む木造平屋、一戸建て住宅である。住宅地の美しい街並みは、住民合意を基本に、長期間美しく維持している私的空間を、視覚的、空間的に開放する事で作られる。例えば、欧州での窓辺の花飾り、アメリカの美しい前庭等、街全体参加で美しい景観が作られる。この計画では緑地保存とオープンスペースで景観形成に参加した。敷地は南北縦長の二面接道で、南側は街並みが変わらない様、生垣と庭園を残し、囲われた内部をプライベート庭園にした。駅寄り北側が玄関側で、こちらは玄関まで全てオープンスペースである。既存高木2本を残し、建物と道路間はフェンスなしの緑地、玄関迄のアプローチは街路の延長空間だ。 建物も南北縦長で、庭に面し南側にパブリックゾーン、玄関を中央に北側にプライベートゾーンがある。屋根の形態は、パブリックゾーンでの『四季を通した気持ちの良い自然採光』を求める試みである。南北に通る切妻屋根は8寸勾配、この南端を乗越し屋根風に片流れで折上げる。折上げを4寸勾配にすると8寸勾配と納まりがよく、冬場の日照勾配にも合う。冬場は朝から夕方まで、充分な日照が部屋奥まで差し込み、夏場の日差しは欄間の外付ブラインドが、日差しを調整する。夜間や暴風雨時にはブラインドがシャッターへと機能を変える。高天井になっていない切妻の屋根裏は電動梯子の付いた広い収納空間となっている。
作品28/陽光をコントロールする家
鈴木啓二/建築設計社のホームページ
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