漆喰壁
この民家は奥の間とデイの二室(畳の間)が漆喰壁になっている。全室を土壁中塗り仕上げで仕上げ、それを下地に漆喰の上塗り仕上げをかけている。
■材料と作業工程
漆喰仕上げの材料は消石灰、貝灰、ぎんなん草、板ふ糊、さらしすさ、紙すさ、砂を使う。工程は、土壁中塗り仕上げが、漆喰壁の下地となる。中塗り仕上げが乾燥したら、下塗りを行う。先ず、中塗り面に、砂漆喰を塗りこむ。上塗りは下塗りが半乾燥状態のとき、水の引き具合を見計らいながら行う。上塗りは下付けと上付けの二工程で行う。上付けは鏝むらのないように入念に仕上げる。漆喰は長期間の練り置きがきき,72時間以上置いてよく熟成させてから使用する.。


左官工:加藤實氏

@材料:漆喰下付一練分
石灰3袋60kg 砂1300g
貝灰1袋10kg 紙すさ6枚
銀杏草3750g 板ふ糊6枚
さらしすさ 1400g

A
材料:本漆喰一練り分
石灰 3袋60kg
貝灰 1袋10kg
銀杏草3750g
さらしすさ 1400g

B材料:貝灰 袋の注意書き:練を十分行い72時間以上置いて使用する。

以下、漆喰の練り方
C本漆喰用晒しすさ:叩いてほぐして舟に入れる。晒しすさ1.4kg。

Dのりを篩で漉しながらフネに入れるF〜Iの銀杏草と板ふ糊

E本漆喰用のりこし
 ■この民家での漆喰壁配合比            
工程 下塗り 上塗り
材種 下付け 上付け
石灰 3袋60kg 3袋60kg 3袋60kg
貝灰 1袋10kg 1袋10kg 1袋10kg
(石灰+貝灰)
×0.7(容積比)
1.3kg -
銀杏草 3.75kg 3.75kg 3.75kg
板ふのり 6枚 6枚
晒しすさ - 1.4kg 1.4kg
紙すさ - 6枚
白毛(麻) 2.5kg -
塗り厚 - 2mm 1mm


R
漆喰壁の完成

←↑→FGH糊の煮込み
ぎんなんそう3.75kg 板ふのり6枚
Iのり材:箱の上に乗っているのは右が銀杏草(北海道日高産)、左が板ふのり
J紙すさ購入品

K紙すさを水で戻す水に漬けて握って絞り、玉にする。

L玉になった紙つたを手でちぎって舟に入れ練る

M貝灰ツタあわせ糊が暖かいうちに貝灰10kgを加えよく練る.

N石灰ツタ合わせ続いて石灰20kg入り3袋を入れるよく練る:

O漆喰下塗り土壁中塗り面に上部から砂漆喰を塗る。

P漆喰上塗り下付け塗り厚2mm

Q漆喰上塗り上付け塗り厚1mm
左官工事4:道具
鈴木啓二/建築設計社のホームページ
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