鈴木啓二/建築設計社のホームページ

10.梁の仕口

11.梁の仕口

12.梁の仕口
構造体の接合部(仕口・継手)
江戸時代を通して発展した民家架構は、江戸後期に技術的にはこのような大型の家が一般に作られるようになった。伝統様式の民家では、柱と梁などの接合に金物はを使わない。また、釘も使わないので木材の乾燥収縮による金物の緩みや釘腐食による耐力低下がない。現在の在来工法住宅では、梁・柱・土台をピン接合にして筋違いに水平耐力を負わせている。民家ではコンクリート構造のように柱梁は一体で貫と合せて水平力に耐えている。架構様式の発展に合せて仕口も工夫され、木だけの接続であるが、それぞれ剛性が高い。架構方式と合せて乾燥しても緩まないよう栓で締める形を多く取っている。貫は横材を壁の中に入れ、柱を突き通して楔締めをして水平力を受けている。筋違い方式に比べ力の掛り始めの変形量が大きいが、変形がある程度進むと効いてきて、粘り強い柔軟性のある構造である。しかし、タタキ廻りと北側の壁以外は殆どが開口部で貫のある壁が少なく、水平力を受ける構造として架構体の接合部の剛性が最も重要であり、それが仕口の仕組みに掛っている。架構方式でも剛性が高まる工夫があるが、乾燥しても緩まないよう栓で締める形が多い。またこの仕組みによって解体再組立てが可能で多くの家が移築された。

13.梁の仕口とあご

14.あご詳細

15.柱仕口

17.梁仕口

14-2.あごに梁を架ける前

16.差し鴨居仕口

18.梁仕口
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