鈴木啓二/建築設計社のホームページ

19.大黒柱脚部:上り框を差し込む前。柱と框ホゾに穴が開いているが、そこに栓を通して引寄せる。

20.礎石にダボで落し込み、底面を光付けした。両側に上り框、直行してウシ根太を差している。柱脚を固める剛性を高める構造は、今の住宅にはない。

21.ウシ根太が延びているところ。大黒柱の両側から上下に大きな材を差し込み剛の構造になっている。

22.差し鴨居三方差し部分:小さな材を差しこむところ。柱にあいているホゾ孔は勝手中二階床受けの差し鴨居が取りつく。

23.小さい材も取り付いたところ。上のホゾには鼻栓を差し、下の梁どうしはシャチ栓で締める.

24.注脚:別の角度から

25.中二階からの差し鴨居に栓を刺して三方差しが固まった所

26.大黒柱上部:梁の重なり
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大黒柱三方差し廻り仕口詳細図
大黒柱三方差し廻り仕口
中央が8寸角の大黒柱。右側が座敷南側の5寸角、左上が勝手北側の4.2寸角の柱。この通りが土間、床上境で、大黒柱左右に上段が差し鴨居、下段が上り框が通る。左手前は座敷〜勝手の間の4.4寸角柱。上部からの力は直接柱に伝わる他、束を通して3本の差し鴨居に大きくかかる。その力を大黒柱中間部が受ける為の仕口である。それぞれ柱面で、その力を全てせん断力として受ける為、ホゾが切れないようにおお入れにして受けている。直線的に接合される二方差しは、男木と女木があり、ホゾの下半分は柱の中心で止まる。男木の上半分が女木に差しこまれる。柱と梁はホゾ部分に柱の表からこみ栓で締付けられるが、仕口面が十分密着してから、栓を打込むことによって完全に密着させる。緩みのない仕口により剛性が一段と高まる。梁と梁の連続はおお入れなので落し込みはせず女木を差し込み、こみ栓と共にしゃち栓をホゾの両脇に打込んで緊結する。おお入れが大きな外力を受けた時、女木を破壊から守もる。ここの三方差しはもう一方の直交梁が下がっているので同一高さでの断面欠損が小さく、また、ホゾ長さも十分取れる。このホゾに対して隠しこみ栓を打つ。