茅の下拵え

茅材は収穫したままでは、不良材や猥雑物の混入があるので、人手を通して選別し良材へと仕上る。

また、差し茅は施工性から3尺締めの小束が必要となる。
この2点を満足させるため、『スグリ』作業を行う。
1/4 5尺縄締めの茅束→
倉庫に収納してある姿は、下葉の付いたままの束である。北上川下流地域の茅場では、5尺締め(5尺の縄で縛った束)。
材料の購入や見積もりの単位は、『スグリ』前のこの茅束で行う。
スグリ作業→
語源は『より選り』の選り(すぐり)と思われる。
下葉や夾雑物を手作業で取り除き、現場搬入する茅束を作る。
3尺縄締めの茅束→
葺替え現場で使う茅束の寸法は3尺縄締めである。5尺縄締めから3尺縄締めにすると、これだけの”すぐりかす”が出る。このため購入した体積と現場搬入体積が必ずしも一致しない。5尺一束から3尺が何束出来るかは育成状況によって異なる。
スグリを現場で行うと作業員の旅費が嵩むことと、産廃のコストも上がる事から、現場納品前に行う。

茅葺屋根の維持管理:下拵え すぐり作業
鈴木啓二/建築設計社のホームページ
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