棟造り

■棟造りの手順
・既存棟飾りは、杉皮まで撤去する。

・新しい杉皮を二枚重ねに折り曲げて銅線で取り付ける。

・簾竹を組上げ棟上に鞍乗せとし、銅線で繋いで取り付ける。

・ひしぎ竹(シゲ)で簾竹を押えるように取り付ける。

・最後に、棟頂部に胴縁竹・化粧竹・天化粧竹を銅線で縛り付ける。


■解体でのの印象
・屋根に露出で載せた竹材は12年の間には風化が進み、もう少し短期間の取り換えも考えられる。

・杉皮は風化した簾竹にカバーされていて竹部ほど傷みが進んでいない。
1月31日 棟簀子竹用 化粧竹搬入 2月7日 棟用杉皮搬入
2/24 棟端部改修前状況(東) 棟飾り(竹すのこ巻)もずれて落ちそうになっている。 2/24 棟端部改修前(西):上から天竹、簾竹、杉皮、マクラ、蓑甲頂部。竹類は弾力がない。
2/24 改修前状況:コヌキにかぶっている杉皮が傷んで欠損している。簾竹を押えるヒシギも飛んでいる。 3/3 改修前状況
3/3 改修前状況 天竹は何カ所も割れている。 3/4 解体中写真:簀竹を取り外したところ。簾竹のした風化は抑えられている。
3/4 棟解体中:ドレンチャーは棟天から突出しているが横引配管下のトタンで雨受をしている。 3/4 棟解体中:杉皮を取ったところ。
3/7 棟積直し中:棟端部 3/7 棟積直し中:棟中央部
3/8 棟積直し中:端部マクラ設置 3/8 棟積直し中:赤く見えるのは棟押えトタン
3/11 マルキの上にコヌキ敷き並べ中。下部に定規の板を取り付けて揃える。 3/11 コヌキを押し鉾竹で押える。
3/11 押し鉾竹2段取付 3/12 杉皮敷き並べ、押鉾竹で押える。先に取付けた下段の押鉾に緊結する。
3/13 杉皮の上に既に編上げた簾竹を並べる。簾竹は銅線で編んである。足場そのまま。 3/13 簾竹は竹のヒシギで押える。
3/14 天竹を載せて棟完成。 3/14 蓑甲頂部 棟飾り(雫受け)取付。
3/15 棟造り込み完成 3/16 コヌキ下端の刈込:棟近くから足場取外し。
茅葺屋根の維持管理:差茅 棟造り
鈴木啓二/建築設計社のホームページ
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